生命保険会社選びでの注意

point-1生命保険の営業の選び方

 

多くの方が、生命保険を「お身内」「知友人」などの営業担当者から加入されていると思います。
所謂、縁故営業ですね。実はこの営業チャネル、保険営業の担当者としては「あるべき姿」と言えます。

もし、みなさんが事故に遭い、ご家族が緊急の事故対応をしつつ、保険金請求の事務手続きをしなければならなくなった時、全部の手続きをご家族の方が「迅速に」「正確に」「漏れなく」行えるでしょうか?
どんなに優秀な方でも、ご家族が事故に遭われたとなると、気が動転して、いつものような動きが出来なくなるものです。

そんな時、気心が知れていて、いつも会っていて、何かと相談に乗ってくれる「保険のプロ」が居たら、何と心強いことでしょう。

そう、保険の営業担当者に求められるキーワードは「身近」「信頼」です。

かつての保険会社の営業担当者は、新規契約の獲得成績のみで給料が決まっていたため、「投網漁法」のような営業活動を展開し、既契約者に対しては「釣った魚には餌をあげない」対応をしていました。
しかし、最近は既契約者に対して、(誕生日のお祝いや時節の挨拶状だけではなく)契約内容の確認や、満期保険金の案内など、保険営業本来の活動を積極的にするようになっています。

保険は決して難しいものではありませんが、場合によっては、複雑な権利関係や事務処理になることもあります。

どんな簡単な質問も、難しい質問も、嫌な顔をせずに分かりやすく教えてくれる。
平日でも休日でも、電話一本で何でも相談に乗ってくれる。

そんな保険営業担当者が身近に居たら、最高ですね!

 


point-2生命保険の契約の保全

 

保険業法の上では、生命保険会社の経営が破綻した場合に、「生命保険契約者保護機構」により一定の契約者保護が図られます。
この機構は、国内で事業を行うすべての生命保険会社が加入している社団法人生命保険協会により運営され、破綻した生命保険会社の契約を引き継ぐ「救済保険会社」あるいは「承継保険会社」に対し、必要に応じて資金援助を行います。

ある生保会社が破綻した場合、既存契約は継続されますが、責任準備金(保険会社が将来の保険金・年金・給付金の支払いに備え、保険料や運用収益等を財源として積み立てている準備金)が取り崩されることがあります。
この際、破綻時点 の責任準備金の90%までは保険業法等に基づき「保護機構」によって補償され、残りの10%については更生計画などにより決定されることとなります。
気をつけなければならないのは、「責任準備金の90%」が保護されるのであって、契約書上に記載されている「保険金」や「年金等」の90%が補償されるものではありません。
また、契約締結時に示された予定利率の引き下げなどを含む、契約条件変更が行われることがあります。

このように、生命保険契約は、国によって手厚く保護されていますが、良いことばかりではありません。
破綻後も保険契約を継続する場合は、当然のことながら、保険料を解約するまで払い込む必要があります。
さらに、通常、破綻後、「救済保険会社」あるいは 「承継保険会社」に対して保険契約の移転が完了するまで、保険の解約はできません。

同じ金融商品である株式や商品先物などと比較すると、リスク発生時の契約保全に関しては、保険が最も保全内容が良い(損失が少ない)仕組みになっています。
しかし、(起きて欲しくないですが)実際に破綻の兆候が現れた時、素早く財務体質が健全な他社商品への切り換えが実現できないと、いざ破綻した時に、身動きが取れないばかりか、全額ではないにしろ、損失が発生する可能性があります。

保険証券の保管場所や、加入されている保険会社の経営状態などは、常時把握していたいものです。

 


point-3生命保険会社の財務体質

 

生命保険会社の会社概要を見ると、「ソルベンシーマージン比率」という単語を必ず目にします。
これは、保険業法で定められた保険会社の財務体質の健全性を示す指標です。

90年代前半のバブル経済の崩壊に端を発する景気低迷により、いくつかの中堅生命保険会社が破産に追い込まれました。
幸いなことに、外資系の生保会社を中心に引受会社が現れ、保険証券が紙切れになる事態は避けられました。(ちなみに、保険業法上は「生命保険契約者保護機構」により、生保会社の破綻時にも契約が保護される仕組みとなっています)。

しかし、このような生命保険会社の破綻が、いつまた発生するとも限りません。
そこで金融庁は、1995年の改正保険業法において、「保険会社の保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率」として、ソルベンシーマージン比率を導入しました。

ソルベンシーマージン比率は、しばしば「支払余力」と訳されます。
これは、通常では予測不可能な大規模な損害(大地震・大恐慌など)が発生した場合の、生保会社の保障余力を示したものです。
ソルベンシーマージン比率が200%を下回った場合、金融庁から早期是正措置がとられることとなっています。

しかし、過去の破綻例を見ると、ソルベンシーマージン比率が200%超の会社でも破綻したため、この数値のみでは安心できません。

また、ソルベンシーマージン比率は、自己資本が相対的に多い保険会社が大きく出るようになっており、また、設立から年数の経っていない若い生命保険会社も、大きく出るようになっています。

ちなみに、2010年3月末のソルベンシーマージン比率のランキングは、

第一位が富士生命保険で3240.7% 、
第二位がネクスティア生命保険(旧SBIアクサ生命保険)で2798.7%、
第三位が日本興亜生命保険で2750.4%


となっています。(参考:http://www.hokenranking.jp/

確かに数値が高い方が財務体質は強固ですが、財務体質が健全な会社が、顧客サービス・顧客満足度が良いかと言うと、一概には言えません。
あくまで、生命保険会社選定の一指標に過ぎないとお考え下さい。